オイシイ仕事ツライ仕事>やっとマイペースで続けられると思ったのに悲劇は起きた!
【やっとマイペースで続けられると思ったのに悲劇は起きた!】
マウスやラットに発癌物質を埋め込んで発癌実験をしたり、
マウスの解剖をして腎臓からDNAを抽出してPCRや
電気泳動やELISAなど、時には英語の文献を調べたりしながら
遺伝子検査について徐々に詳しくなっていきました。
マウスの眼底からの採血もテクニックが身に付きました。
遺伝子検査はピペット操作が命なのですが、もともと技師なのでピペット操作も
それ程苦にならずに、毎日沢山の細かい検査をしていました。
解剖顕微鏡で、マウスの心臓を開いて綺麗にトリミングして、写真に撮って
パソコンに取り込んで画像処理をするような事もしていました。
アルバイトでもこんなに環境の良い仕事のし易い職場は無いなと思いました。
そこそこやりたい事が出来て、自分のペースである程度任せて
貰えて研究が出来る。
「ずっと、この研究所に居たい」と思っていました。
予算がなくなるまでで構わないから。
そんな時、朝仕事に行くと部屋の空気が違いました。
異様な緊張感が漂っています。
その日の朝の新聞に、マウスの飼育に関わっている方の研究員とその上の教授
(直接は雇用関係じゃ無い)の賄賂の記事が載ったそうです。
マウスの関連会社から幾らか懐に入っていた様で、
所長に呼ばれて謹慎処分と減給を言い渡されました。
おそらく内部告発だと思いますが、研究所の所員さんから、
「そんな不謹慎な奴がバイトを雇っているなんてけしからん」と言う意見が
出て、あえなくアルバイトは解雇です。
もちろん雇用保険なんてありません。
仕事を任されていても、あっさり切られるものなんだと痛感しました。
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